愛人に変換の仕事を指示した社員と、午前中に打合せをすることになった。
どういうスケジュールで進めるのか、どの項目を確認するのか、どのような編集が必要か、などなどを確認した。
ただ、こいつは忙しすぎて実際には愛人の面倒など見られない。
物理的にムリ。
それは十分に分かっていたので、どうしても難しいなら私の管理下におくことも検討する余地がありますね~的に匂わせた。
ら、チョー乗り気ww
早いww
ちょっとぐらい遠慮しろww
具体的にどうするのか来週早々に他の社員も交えて改めて相談しましょうということに。
そして、昼イチ。
偉い人①と別件で打合せをしていたら、急に愛人のことを聞かれた。
どうなんだと。
どうもこうもねぇわと答えたんだが。
偉い人①は愛人のやらかしについて知っていた。
でも切らなかった。
理由を聞いたら、チームのみんながそういう意思表示をしなかったからだと言う。
使いにくいならそう言え、代わりの人材を探してもらう。
偉い人①がそう言っても誰も何も言わないから使い続けたと。
なるほど。
偉い人①と社員の男どもの間にはアマゾン川が流れとるんだな。
ぜんぜん意思疏通がなされていない。
偉い人①は自分の高圧的な物言いを変えない。
社員の男どもははねのけるのが面倒で黙る。
これが諸悪の根源なんだな。
意思疏通を両者がサボるから派遣のうちらが迷惑するんだな。
めんどくせー。
しっかりしろい。
「お前、愛人ともめとるのか」
「もめてないから(嫌っとるだけww)」
「営業マンが、顔も見たくないほど嫌だって言っとったぞ」
「そんなことを?(言ったけどww)」
「なんじゃあもう、面倒くさいことやめてくれー」
「好きか嫌いかでいうなら、嫌いだわ」
「なにぃ~~?」
「だけど、仕事はちゃんとしとるよ」
「おう」
「彼女は一から十まできっちり指示してほしい人だけど、ここの人たちはそれをやれないでしょう?」
「ムリだな」
「だもんで、本来あるべき姿からは遠ざかるけど、彼女を私の管理下に置いたらいいのかもなー?って考えたりしとるよ」
「おう、それええやないか」
「まずは社員の人がスケジュールや確認項目を決めてよ、話はそのあとね」
「おうおう」
「営業マンにも話してないし」
「今月中にまた来るで、その時に話すわ」
ということで、まずは愛人に作業を指示した社員が、スケジュールや確認すべき項目、優先順位などを洗い出して整理する。
その内容を愛人といっしょに聞いて、これからは私が愛人の作業の進捗を管理する。
愛人には偉い人①から、このようになった旨を指示する。
ということで話がついた。
棚ぼた的に愛人問題がよい方向に転がった。
まあまあの収穫だなと思っていたら、偉い人①が「まあそんなに長くは使わんけどな」と。
ん?
「CADが使えるだけで基礎知識がない人はいらん。ここの部署では設計できん人は使い道がないでな」
「ちゃんと説明すれば大丈夫でしょ?」
「いや、いまのあいつらには負担でしかない」
「詳細説明なしでも自分で判断できる人がいいってこと?」
「そう」
「ほんならレートの安い人は使っちゃかんわ」
「近いうちにみんな契約おわりにする」
「愛人はいいとして、夏に入った新しい人はどうするの?」
「切る」
「はあ~~?この人は残せば?」
「いらん、何もかもきちんと準備してから指示くれっていうだろ?」
「そうだね、そういう雇用契約だでね」
「そういうのいらん、人数減らして新たに設計者をひとり雇う」
「ふーん(お前が求人だして雇ったのに?)」
「変換もだいぶ進んだことだしそろそろ切ってもいいだろう、ちょっとは大変になるけど、お前まだ余力あるだろ?」
「まあね」
「営業マンが来たら契約終了のことも話すわ」
まさかの愛人クビまでゲット\(^^)/
感じのいいアラフォーさんまでクビとか、それはかなり寂しいけど…。
まあ仕方ない。
アラフォーさんは春までに辞めるって言ってたしな。
あまり多くを望んではいかんな。
打合せが終わり事務所に戻ったら、偉い人①がその足で愛人のところへ行き「これからは○○さん(私のこと)の指示に従って仕事してくれ、あなたがやった仕事のチェックも○○さんにやらせる」と。
えーーーー(°Д°)ーーーー
おまえ…。
社員の男どもや営業マンとの調整はどこいった。
私と愛人は同じ立場の派遣社員。
役割も同じ。
実際はぜんぜん違うけど、書類上は同じ。
だから愛人は一貫して私の指示を無視してきた。
私はあなたの部下じゃないわってことで。
なのに何の説明もなく、いきなり私の指示で動けとは。
営業マンから事前の説明があって、その後に偉い人①から正式に指示があるってのが妥当ではないか。
ちゅうか、営業マンがレートの交渉をしてから実施するのが筋じゃないのか?
偉い人①はぜんぜん気づいてないけど、愛人チョーーご立腹ww
ふだん見せないような般若顔で私を睨み付ける。
そりゃそうだ。
打合せから戻ってすぐこの対応じゃあ、私がまるで何か入れ知恵したみたい。
いや、したけどもww
できればもっとさりげなくしてほしいわww
ま、このおっさんにはムリだわなww
ノリノリの偉い人①とは裏腹に、愛人はチョー低空飛行。
氷のような表情で「私の仕事、ただのデータ変換と文字化け修正ですけど」って語気強めで言う。
珍しい。
いつもニコニコ笑って誤魔化すことしかしないのに。
でも偉い人①はそういうの鈍感だからww
意味ナッシングww
「知っとるよ、でも、そういうことで宜しく」とあっさり。
私にも「お前も、いいだろ?」と。
いやいや、先に聞いてくれよ…。
と、今さら言っても遅いので、
「はい、宜しくお願いします」と言うしかない。
改めて偉い人①が「よし、お願いします」と言うと、愛人は渋々「宜しくお願いします」と絞り出した。
このやりとりの間ずっと私に憎悪の視線を向けたまま。
せっかくうまく転がりだしたかと思ったのに、いきなり前途多難…。
(;´д`)トホホ
ま、仕方ない。
愛人が言うことを聞かなければクビを早めることができるし、言うことを聞くなら問題ないし、ぶちきれて自主退職してくれればラッキーだし。
私に不都合な結果にはなるまいて。
なんちゅうか、同い年の同僚、若手男子ふたり、営業マン、愛人本人、偉い人①の誰にどう言ってもうまく解決しないのね~~。
どいつもこいつも使えないわ~、まじで。
まあでも、いちばんマシなのは自分で偉い人①に直接交渉するパターンかな。
これからは同僚の男を頼りにしないことにする。
偉い人①も頼りにはならんけど、使い道はある。
自分のことは自分で。
これに尽きるなと、しみじみ思った金曜の夜なのでありました。
愛人問題はもうじき解決する。
はず(笑)
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